| ●5月6日はキノコでサイエンス・カフェ!(15時〜) | |
現在開催中の「六甲山のきのこ展2012」に、たくさんの方に見て頂きありがとうございます。 じっくりとケースに張り付いて見ていただいた方、ニオイを体験された方、イラストを書いてくれた方など、みなさん色んな形で楽しんで頂けたようでなによりです。
さて、このゴールデンウィークの最終日となる5月6日(日)が「六甲山のキノコ展2012」の最終日となっています。グランドフィーナーレを飾るべく、最終日には特別イベントを開催します。
題しまして、「キノコでサイエンス・カフェ」で、高校生をはじめキノコ業界で活躍されている方にお越しいただき、お話していただきます。お茶をすすりながら、気楽にキノコの話を聞いて頂ければと思います。
日時は、2012年5月6日(日) 15時〜16時30分 です。 場所は、兵庫県立人と自然の博物館 4Fひとはくサロン となります。 参加は無料ですが、入館料は必要です。どなたでも自由に参加いただけます(小さい子もOK)。 もちろん、申し込み不要で、出入りも自由でのんびり過ごして下さればと思います。
話題提供は、展示を製作した県立御影高校の生徒さん、兵庫きのこ研究会の奥田さん、神戸在住のきのこ少年和田君です。キノコ展や六甲山のきのこについて、スライドや標本を交えながらのお話となります。
さらに、今回は特別ゲストとして、作家で芸術家でキノコライターの堀博美さんにもお話頂きます。堀さんは、注目の本「きのこる」の作者で、キノコと文化、歴史、映画、芸能、音楽、神秘、信仰と文系キノコ研究家としても有名です。
キャラのたつ方々が、きのこをたっぷり解説してくれます。
繰り返しになりますが、 5月6日でもって「六甲山のキノコ展2012」が終了です。 お見逃しのないようによろしくお願いします。
(みつはしひろむね)
| | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展2011〜野生のキノコの不思議な魅力〜がはじまります | | この時期、恒例となりました県立御影高校によります「六甲山のキノコ展2011 〜野生のキノコの不思議な魅力〜」を開催いたします。昨年、一昨年よりもさらにパワーアップして、約350種、500点の標本を展示します。御影高校生による1年間の活動成果をぜひご覧ください。野外では、これだけのキノコを一度には見ることができませんが、博物館なら可能です。きちんと樹脂などを活用して、原型を残して標本化すれば、生物多様性の豊かさをそのまま見ることができます。野外とはひと味違うキノコの多様性の世界を体験してみてはいかがでしょうか。また、キノコのニオイを体験するコーナーもあり、5種類のキノコのニオイをかぐこともできます。 ぜひ、みなさんご参加ください。
期間: 平成23年2月15日(火) 〜 5月15日(日) 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン 観覧料: 無料 (博物館観覧料が必要です) 主催: 兵庫県立御影高等学校 共催: 兵庫キノコ研究会・兵庫県立人と自然の博物館
<趣旨> 兵庫県立人と自然の博物館では、平成23年2月15日から5月15日まで、「六甲山のキノコ展2011 〜野生のキノコの不思議な魅力〜」の展示会を開催します。この展示は、当館および兵庫県立御影高等学校、兵庫きのこ研究会との共同開催となります。 六甲山には、たくさんのキノコが生育していることをご存じでしょうか。今回の展示では、これまで3年間かけて御影高等学校が総合学習等の一貫として調査研究を進めてこられたキノコ標本を一堂にならべて展示します。この3年間にわたり調査した結果、四季を通じて採取した標本約350種500点余りを得ることが出来ました。これだけの種類のキノコが一堂に展示される機会は、国内でもほとんどありません。これらの標本は、凍結乾燥と特殊樹脂の含浸といった特殊な技法を用いて製作されており、野外と近い状態で保存することができます。これらのキノコについて、その特徴や発生時期、温暖化の影響に関する研究成果報告、また人間生活や文化との関わりなどを含めた解説パネルを展示いたします。これにより、六甲山再度公園のキノコの高い多様性を県民に知ってもらうと同時に、野生のキノコの面白さを伝え、身近な場所の豊かな自然を実感してもらうことを目的としています。さらに、本年度のCOP10交流フェアーへの高校生の参加報告についても行います。
<主な展示物> 神戸市北区に位置する六甲山系・再度公園(修法ヶ原)において、平成20〜22年に採集したキノコを特殊処理した含浸標本および樹脂封入標本について、約350種類、500点を展示します。代表的な種類としては、ヤマドリタケモドキ、サンコタケ、カラカサタケ、スッポンタケ、イボテングタケ、ノウタケなどです。毒キノコや食用に適したもの、染色に使うもの、薬用に使うもの、あるいは香りがユニークなものなどを機能別に紹介します。とくに、香りについては、来館者がにおいを体験できるコーナーを設けます。珍しいものでは、国内でも数件しか確認されていない「セイタカノウタケ」や「ワカクサウラベニタケ」、亜熱帯性のキノコで夜に蛍光する「シイノトモシビタケ」などを展示しています。このほか、キノコの写真や標本を使ったジオラマ、キノコの出現傾向などの生態に関する研究成果もパネルで紹介します。
【追加】 こちらのブログ記事もご覧下さい。 http://hitohaku.jp/blog/2011/02/post_1108/
| | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展2011が御影公会堂で開催されています | |
今年も御影高校による六甲山のキノコ展が御影公会堂にて開催されます。
期間は、1月8日(土)〜1月10日(月・祝)です。高校生や兵庫きのこ研究会の皆さんが、3年間にわたり収集した標本約250種、300点あまりをキノコの特徴別に一挙公開されます。
キノコに関心があるかたは、ぜひぜひこの連休中に御影公会堂におこし頂ければと思います。

【展示情報】 タイトル:六甲山のキノコ展2011〜野生のキノコの不思議な魅力〜
キノコは季節ごとに発生する種が異なります。これまで3年間にわたり、四季を通じて採取した標本約250種300点余りを、キノコの特徴別に一挙に展示・公開します。六甲山再度公園のキノコの多様性、野生のキノコの面白さ、不思議さ、そして身近な場所の豊かな自然を実感して頂けばと思います。
(1)特徴別(食・毒・香り、出現頻度など)にキノコ標本の展示 (2)本校生徒や兵庫キノコ研究会によるキノコの解説 (3)六甲山系の代表的なキノコの写真展示 (4)解析結果をポスターで展示 (5)キノコの香り体験コーナー (6)COP10の報告
実施期間:平成23年1月8日(土)〜1月10日(月)
場所:御影公会堂(神戸市東灘区御影塚町4−4−7)
入場料:無料
共催:兵庫県立人と自然の博物館、兵庫きのこ研究会
(みつはしひろむね) | | | | | |  | | ●西宮きのこクラブOB会による展示 | | 新たなミニ展示のお知らせです。 きのこの展示がさらに増殖してしまいました。
2010年4月17日(土)〜5月16日(日)まで、当館の4Fひとはくサロン奥のスペースにて、西宮きのこクラブOB会さんによります、『甲山のキノコとキノコ培養の実践』についての展示が行われています。小さなコーナーですが、見所たっぷりです。
こちらの会の皆さんも、博物館が開催する封入標本作製&プラスティネーション講座を受けて、キノコ標本を作製されている方々です。熟練の方々がメンバーですので、仕事が細かく、なかなか変わったキノコもあります。活動は、おもに西宮市の緑化植物園さんを拠点として、採集は六甲山の東端の甲山で行っておられます。この会で製作された標本は、西宮市緑化植物園の展示会でも飾られています。
御影高校さんの展示に触発されて、友情出演(?)というか、僕にそそのかされての出展です(ありがとうございます!)。展示が展示を呼んでしまいました。封入標本やプラスティネーション標本の制作については、実はこちらのグループのほうが御影高よりも早くから挑戦されています(ちなみに最初は姫路科学館さんです)。 理由はともあれ、博物館としては展示物が増えて、みなさんも喜んで下さり、嬉しい限りです。
高校生の皆さんと平均年令を比べるとトリプルスコアーぐらい差があるのですが、円熟味のある仕上がりとなっています。それと、ヒラタケの培養方法についても解説もあって、御影高校さんとはちょっと違った視点もあり、あわせて見て頂けるとよろしいのではないでしょうか。 展示にも多様性があります。

ここに飾られている『アカダマキヌガサタケ』の標本はかなり美しい仕上がりです。 胞子の写真や培養途中の標本を乾燥させたものもあります。
きのこに関心のあるかたは、御影高校さんの展示、兵庫きのこ研究会さんの写真展示、岩崎さんのキノコ水彩画展とあわせて、ぜひご覧いただければと思います。
★ひとはく、キノコ、モデルと入力して検索すると・・・ 話は変わりますが、当館の将来構想のモデルは、『キノコ』の生き方なんです。 以下の図がそうです。 最初にタネをまいて育てて、色んなところできのこが生えたり、菌糸が張り巡らされて、各地で展示会をやったり、その展示会等が再びひとはくに来たり、と連鎖・連携して、兵庫県全体として盛り上がる、というシナリオです。身内の関係者だけで盛り上がることはNGなんです。
当時は、そんなことできるのかな?という疑問符でしたが、奇しくもキノコを題材として、上の図にあるようなフレームワークにちょびっと到達できた感じです。
右上のボックスがさらに意味深です。これも検証してみます。 1)どこに出るか分からない →(○正解) 御影高校や西宮キノコくらぶ、兵庫きのこ研究会、三木自然愛好研究会は全然想定できなかった。想定できたのは、ツテがあった姫路科学館さんだけ。姫路科学館の方もたくさん胞子を蒔いて下さりました。思わぬ所から標本の貸し出し依頼も。
2)菌糸は目に見えないが着実に寄主を蝕む →(○正解) 河川生態学の研究が・・・、液浸標本の整理が・・・(キノコに棚をとられる)
3)個体はない、すべて一体である →(×不正解) 皆さん、独立独歩で非常に個性があり、ユニークすぎます。制御不能です。つねに巻き込まれても得るものがあることを、『一体』と捉えるならば正解かもしれません。
4)死はない、キノコは一時的な姿である →(○正解) 学術論文でなくても、ノウハウを『共生のひろば』の記録集等で残しておいたり、標本をひとはくにストックしたり、情報をHPに書いておけば、新たにキノコ展示をしようという人が現れるかも。参加する主体と拠点が多い方が保存され、ノウハウが再利用されやすい。この記述はとても博物館らしいですね。
5)毒きのこもある →(?意味不明) どういう意味か良く考えれば考えるほど分からなくなります。内輪でもめる?参加されても期待はずれ?、わかりません。4)で死はない、と言ってますので、痺れるぐらいで、時間が経てば復活?!とりあえずスルーです。
6)2012年〜 ひとはくから移転となってます・・・ 三田のきのこは朽ち果てる、と書いてありますが・・・。この予言に従えば、あと1年で、ひとはくではきのこの仕事に僕はタッチすることがなくなり、誰かが代わりにキノコ展をしてくれます(そうなるように担当は努力しなくてはならない)。どこになるのか想像もつきませんが。御影高校の卒業生だといいですね。
というわけで、みなさん、当館の将来構想によると、三田でキノコ展がみれるのは、今年が最後かもしれないので、ぜひお越し頂ければと思います。臭いもかげます! 展示は5月16日までです!!
キノコ展の紹介は以下にもいろいろと掲載されています。 http://kinokode.exblog.jp/ http://blog.goo.ne.jp/flets-mediastudio/d/20100416 http://club.kobe-np.co.jp/mint/multimedia/odekake/chotto_odekake/0002873915.html http://www.hyogo-kinoko.jp/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=985&forum=1
(みつはしひろむね)
| | | | | |  | | ●六甲山のきのこ展2010が無事はじまりました! | |
御影高校と兵庫きのこ研究会による『六甲山のきのこ展2010』が無事オープンしました。なんとか、これまで採集したキノコ181種を並べることができました。オープンと同時に、たくさんのお客さんがご覧になられています。まずは一安心です。 高校生の諸君も、インタープリテーションにも熱が入ります。ちゃんと、お客さんとの間をおいて立ち位置をきめて、『話しかけてくれオ〜ラ』を出すわけです。デパート1階のお姉さんが独特のオーラで話しかけてくるアレと同じです。高校生たちは、もはや立派な営業マンですね、ちゃんとオーラがでてました。総合学習はビジネスにも役立つかも知れません。何かの分野で『オーラ』を出せるってことは、大切なことだと思います。これも、ひとえに皆さんのがんばりが自信に繋がったのだと思います。
懸案だったジオラマも無事完成しました。上の二人が仕上げてくれました(ガラスに脂がつくのでアゴ乗せないで!)
。
キノコを土台に刺して、落ち葉などを散らして、その上に『ケープ(整髪スプレー)』をかけます。これは、落ち葉がちょっと湿った感を演出しつつ固定するためです。ケープには、雨や風の日にも1日中がっちりキープと書いてあります。大胆なことが、さらりと書いてありますが・・・。成分をみると、人体の不思議展に出てくる人体標本で使う樹脂と類似の材料がたくさん入ってます。そうなんです、毎日のヘアーセットは『プラスティネーション』だったのです。そう思うと、髪の毛がつんつんしている人、がしっとハードセットしている人とも仲良くできそうです。 話は脱線しましたが、ジオラマづくりにも色んなノウハウがあるので、またブログで紹介してゆきたいと思います。身近な材料に、意外な機能があるんです。
 今年は、昨年とはちがって、臭いを体験できる展示もあります。洗びんのなかには、キノコの臭いを蒸溜抽出した液が入っています。こちらは、生ものですので、日持ちしません。定期的に液を足していますが、なかなかたくさん抽出できるものではありませんので、来館された際に『いい香り』が体験できることを保証できませんが、この点はご了承ください。 さらに、今年は兵庫きのこ研究会の皆さんによります美しい写真と水彩画が加わりました。こちらも必見です。実物標本、写真、水彩画、臭い、洒落たポスター、そして研究解析の結果と芸術と科学が融合しております。きのこ展の総支配人である河合先生から、『ルネッサンス』という素晴らしいお言葉を頂きました。 御影高校の皆さんのがんばりももちろんですが、今回そして前回もそうですが、この展示を進めるにあたっての最大の貢献者は、兵庫きのこ研究会の皆さんであることは言うまでもありません。これだけのキノコの鑑定をこなすためには、分類に関する高度な専門知識が不可欠です。しっかりとした基礎研究なしには到底できません。この場を借りて、あらため感謝したいと思います。 この展示をみて、もしきのこに関心をもたれる方が居られましたら、ぜひ『兵庫きのこ研究会』をのぞいてみてください。
ということで、来年度の4月18日まで展示しておりますので、ぜひひとはくへ何度も何度もお越し頂ければと思います。
(みつはしひろむね/臭い展示の持続可能性がとても心配) | | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展2010 ひとはくで開催します!! | |
前回のブログでも予告しておりましたとおり、今年も御影高校さんらによるキノコ展示会を行います。 昨年は、80種ほどでしたが、今年はさらにグレードアップして、180種のキノコを一同に並べます。まさに、生物多様性YEARを飾るにふさわしい展示会です。 このキノコの標本は、全部、御影高校の生徒さんが採集して、丹念にラベルを振って、乾燥および樹脂処理して、整理されたものです。もちろん、すべて六甲山の再度公園で採集されたものばかりです。身近な六甲山の非常に限られた箇所に、180種ものきのこがあるのです。なんでそんなに種数があるのかって?それは、ぜひ2/11に開催される【共生のひろば】での御影高校による発表をお聞きください。 ですが、兵庫きのこ研究会さんによれば、180種なんてちっちゃな数字ではないそうで、これまでの記録を積み上げるとゆうに
1000種類近くは生育しているとのことです。この数字はどうやって計算するの?種数はどうやって推定するの?これも、今回の展示会ではパネルで説明します。 今回は、キノコの標本展示だけでなく、キノコの種数や出現傾向について分析した結果やその解説パネルも展示します。 詳しい展示情報は以下のとおりとなります。
期間: 2010年2月11日(木) 〜 4月18日(日) 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン 観覧料: 無料 (博物館観覧料が必要です) 主催: 兵庫県立御影高等学校 共催:
兵庫キノコ研究会・兵庫県立人と自然の博物館
興味のあるかたは、ぜひ人と自然の博物館へ! 2月11日は、キノコの臭いを嗅ぐことができる展示コーナーが特別に登場します。
(みつはしひろむね)
| | | | | |  | | ●御影高校によるキノコ展が開催しました!! | |
本日(1/9)に、無事に御影高校による「六甲山のキノコ展」がオープンしました。 ぱちぱちぱち!
聞くところによると、開館前から待っている方がいたそうです。まるで、正月のデパートみたい?ですね。潜在的なきのこ好きの人が多いことに驚かされます。 中に入ると展示室が1階にあります。
入り口にもウェルカムボードとカワラタケがたくさん付いた枝があります。
展示物は、こんな感じです。普通の博物館ではあり得ないのですが、3日間限定でたくさんのスタッフが張り付いているのでオープン展示が可能なんです。それと標本の加工がきちんとされているので、湿気対策も十分です。封入標本や含浸標本がずらりと並びます。 標本に加えて、キノコのモニタリング結果を解析した内容も紹介されています。
午後からも、賑わっています。ちょっと人影にかくれていますが、生徒が頑張ってお客さんに説明しています。3日間限定ですが、実際の採集者や制作者と話をしながら展示をみれるのも、この展示会の特徴です。
本邦初公開!キノコの臭いを嗅ぐことできる展示です。キノコの多様性は、形や種類、分解能力だけでなく、臭いも様々です。芳しいものから、???まで。あなたも、「ハエ」の気分になって、ぜひ臭いを嗅いでみてください。
今風の博物館学にのっとって、ちゃんと体験型展示、ハンズオン展示、生徒さんによるインタープリテーションなど盛りだくさんです。さらに、生物多様性に関する研究成果もあって、トレンディーな展示会です。博物館学に関心のあるかたにも見所たっぷりです。
展示会の詳しい情報は前のブログをご覧下さい。1月11日までの3日間限定です!
●アナウンス 御影高校さんは、この展示だけでなく、キノコの生物多様性に関する取り組みにも挑戦中です。 研究成果は、この3月に東京大学で開催される日本生態学会でも発表されます!! http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/57/P2-HS02.html
関東にお住まいでキノコ展が見れなかった方は、ぜひ生態学会へどうぞ! 生徒さんがキノコの標本を一部持参するとのことです。
(みつはしひろむね)
| | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.6】〜 | | 六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.6】〜 〜スッポンタケ編〜
 写真:土屋規麻太さん撮影
連載6回目となる今回は、前回のサンコタケに引き続き、くさいキノコの代表選手「スッポンタケ」を紹介したいと思います。 卵の殻のようなものを突き破り、にょきっと直立するキノコを見つけた男子生徒たちは、六甲山中にて下ネタ祭りになってしまいました。高校生の男子なんで、まあ仕方ないかな、と思っていたところ、きのこ研究会の山上さんから、このキノコの発見者も同レベルとのご指摘がありました(ちなみにかの南方熊楠もしかりです)。学名の意味が・・・です。 このスッポンタケの学名、Phallus impudicusなんですが、Phallusは「・・・」で、 impudicusは「恥しらずな」ということだそうです。博物館の公式ブログでは、これ以上は書けないので、詳しくはご自身でどうぞお調べください。 それはさておき、奇妙な姿なんで、森のなかで出会うと、なかなかのインパクトです。
では、兵庫きのこ研究会の奥田さんに、スッポンタケについて聞いてみました。
スッポンの首のような格好をしたキノコ。頂上の部分はグレバと呼ばれる胞子を作る器官で、独特の匂いを放つことでハエなどの昆虫をおびき寄せて胞子を運ばせていると言われています。グレバ以外の部分は輪切りにして中華風のスープなどに入れて楽しむことが出来ます。淡白な味わいですが食感がシャクシャクしていて珍味です。幼菌は卵型で、切ると未成熟のスッポンタケがゼリー状の物質に包まれているのが見えます。珍菌ですが、普通に観察され、見つけたときは、その奇妙な姿に嬉しくなります。 (兵庫キノコ研究会 奥田さんより)
 写真:山上公人さん撮影 (右:幼菌が割れて本体が出てくるところ、左:幼菌の断面)
このキノコ、実は食べられるとのことです。標本を作成していても、サンコタケほどではありませんが、臭いが生ゴミ風でキツイので、とても食べれるとは思えないのですが・・・。幼菌を半分にしてみると、中にはゼリー状の物質が詰まっていて、はっきり言って気色悪いですが、とてつもなく薬効がありそうな雰囲気です。きっと、昔の貴族な皆さんは、精力剤とか言って食べまくってたんでしょうね。 このスッポンタケの幼菌なんですが、標本作成したところ、なかのゼリー状の物質は全然変化しません。凍結乾燥・真空引きしても、80度に加熱しても、ブニョブニョしたままで、全然カラっと乾燥してくれません(カゴタケ以外はちゃんと乾燥します)。きっと強力な保水成分が混じっているに違いありません。この成分を抽出して研究すれば、優れた保湿成分をもった化粧品ができるかも知れません。ですが、あの匂いを想像すると、スッポンタケ抽出液を顔に塗るなんて、・・・微妙ですね。なぜか得体の知れない薬効があるのではないか、と期待させてくれるキノコです(一同納得)。

さて、標本の作製ですが、こちらも難易度★★★★★です。とっても作るのがやっかいです。リアルに再現できません。
幼菌を野外の状態のように、張りをもったまま標本にすることは、未だにできておりません。どうしても表面に皺ができてしまいます。卵型の幼菌となるキノコのリアルな標本作成は、今年の課題です。どういう技法で責めるか、思案中です。穴をあけて凍結&減圧してもダメだったので、きっと常圧で含浸処理か、冷凍庫シリカゲル貯蔵(3か月放置)、とっとと中身を抜いて紙粘土詰めしかないかな、という感じです。 右側の写真がスッポンタケの成菌です。こちらは上手くできているのですが、以前にも紹介したとおり、腹菌類はいくらプラスティネーション処理しても、外気に触れていると、白い本体部分がどんどん黄変化してしまいます。ですから、ちょっと大きいのですが、樹脂封入標本にするのがお勧めです。せっかく作ったので、グレバ(先の黒いとこ)の部分にポッド用シリコンを使って、ぬめぬめ感を出したいと思っています(ある日突然展示物されると思いますよ〜)。
次回は、シイタケを紹介したいと思います。ちょっと連載速度が年度はじめで遅延しているとの読者の声がありますので、頑張ってたくさんの種類を紹介したいと思います。
もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください! http://www.hyogo-kinoko.jp/
御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/ 「御影高校のSPP支援講座」 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm
■ぜひ博物館へお越しください! 「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
【注意】 キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。
(みつはし ひろむね)
| | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド【その5】〜 | | 六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.5】〜 〜サンコタケ編〜
連載5回目の今回は、前回紹介した御影高校生選出の最低悪臭キノコ第1位に輝いた‘サンコタケ’です。この標本は、なかなかの出来栄えで、じつは早く紹介したかったんです。

森の中からニョキニョキっとオレンジ色の物体が突き出していて不気味。 そんでもって、ニオイをかぐと・・・・・、最悪です。
でも、封入標本にすると、ステキなオブジェにはや変わり!
触れるし、臭わない・・・。水生昆虫や魚も封入標本にはとてもいいのですが、キノコを博物館で展示するには、封入標本は非常にすぐれています。 サンコタケをじっくりみれるのは、(たぶん)ひとはくだけ! です。 ぜひ来館頂ければと思います。
このサンコタケは、見た目も変わっているので印象に残りやすいのです。実際に、御影高校の生徒が現地の採集会で発見したときには、「あ、昨日図鑑にのっていたキノコだ!!」と理系女子がほくそ笑む。なんと、ちゃんと予習して実習に参加していたんですね、優秀です。ですが、文系男子は、「サンコタケって、3個ツノみたいなんがあるから、サンコタケなんやろ、昔の人はめっちゃ単純やな〜」っと。 ・・・あんたが単純なだけです。ですが、こういったセンスが生物の名前を覚えるのに重要です。
そんなわけで、このサンコタケについて、今回は兵庫きのこ研究会の中嶋さんに、名前の由来なども含めて、解説して頂きたいと思います。
お寺のお坊さんがお祈りなどの仏事に使う仏具のひとつに三本の腕を柄の両側に付けた「三鈷」というものがあります。このキノコの形がまさにその三鈷に似ているところから名付けられました。白い卵形の幼菌から橙色または薄黄色3本の腕を伸ばします。腕にはグレバという強い悪臭を放つ胞子を含む粘液を付けており、この臭気で虫を誘って胞子をからだにつけて行ってもらおうとするわけです。本当に古いトイレでかぐひどいにおいなので、観察会などで平気でテーブルの上に出したりすると、マジで嫌われます。春から晩秋にかけ林内地上に発生します。同じ仲間の腹菌類に1本〜4本の腕を伸ばす、スッポンタケ(1本)、キツネノエフデ・コイヌノエフデ(1本)、カニノツメ(2本)、ツマミタケ(4本)などがあり、いっぱい腕をつけるイカタケやアカイカタケ、腕のまわりにレースをまとうキヌガサタケなどもあります。 (兵庫きのこ研究会 中嶋さんより)

中島さんもご指摘のとおり、お寺の和尚さんが使う「三鈷」が語源です。 高校生の理屈でゆくと、「スッポンタケ」は「イッコタケ」、「カニノツメ」は「ニコタケ(ニコニコタケにしたいところ)」になります。それはそれでいいかも知れません。 それと、やはり悪臭が特徴なんです。 そうすると、封入標本だと、最大の特徴が消えてしまう訳なんです。そんなわけで、キノコ展の総元締めである御影高校の河合先生、兵庫きのこ研究会の山上さんは、ニオイを閉じ込めておいて、いつでも体験できる秘策を現在、画策中ということです。 ニオイ展示が博物館で披露されるかも知れません。ぜひ、日々博物館のHPをチェックしてくださいね(ご期待に添えないこともあります)。
さて、このサンコタケの封入標本づくりですが、難易度は、★★★★★です。大変難しいです。 組織がスカスカで、ちょっとの間にデレデレになってきます。しかも脆いです。 まず、採集してから素早く凍結処理して、凍結したものを素早く凍結乾燥する必要があります(真空度を急激あげるべし、シリコングリースは新品に)。しかも、PEGやらシリコンを塗ると、デレデレになるので、太刀が悪いです。 さらに、凍結乾燥したものも、外に出すとすぐに湿気を吸って、デレデレになります。 しかも、封入標本用の樹脂につけると、再び、デレデレに。 ということで、シリカゲル入り衣裳ケース(内パッキン付き)を用意して、特殊なウレタン系樹脂をピースコンに入れて(ドライフラワー用の硬化剤スプレーでも良い)、ちょっとずつ吹き付けてはタッパーにしまう、といった作業を2〜3回繰り返して、表面をカリっとさせて形を整えます。ちょうど、外はカリっと中はふんわりとした大阪のたこ焼きみたいな感じを想像してください。
それから、封入標本用の樹脂に入れて、完成させるわけです。 オレンジ色も残り、同部の白色も黄ばむことなく、出来上がります。ちなみに、腹菌類を樹脂含浸処理して展示しておくと、白色の部分の黄ばみがとても顕著です。 という訳で、樹脂をつかった展示用標本の道はなかなか奥が深いんです。 ぜひ展示を見に来てください。
次回は、臭いキノコNO2のスッポンタケを紹介したいと思います。
もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください! http://www.hyogo-kinoko.jp/
御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/ 「御影高校のSPP支援講座」 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm
■ぜひ博物館へお越しください! 「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
【注意】 キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。
(みつはし ひろむね)
| | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド【その4】〜 | | 六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.4】〜 〜カゴタケ編〜
連載4回目となる今回は、キノコのなかでも一番きのこらしくない、アウトローな感じがする「カゴタケ」を紹介したいと思います。
この写真をご覧頂ければわかるように、これを見てキノコだと直感できるひとは、なかなかのものです。 卵みたいな殻(右側)から、カゴ状の気色悪い物体が這い出してきて、ネバネバさんです。 なんか猟奇的な感じのするキノコですが、上の写真のように兵庫キノコ研究会の方は、ちゃんと葉っぱにのせて飾っているじゃありませんか! もし、山の中で、切り株の上にこんなのが置いてあったら、何かあやしげな儀式でもしているじゃないかと思って
、
とりあえず退散ですね。実にアヤシイ...。 (キノコ研究会の皆さん!怪しいので山に放置しないでくださいね(笑))
御影高校の生徒たちも、なんでこれがキノコなんだろうか、と首をかしげるほどです。 ですが、匂いはキノコなんです。なかなか臭います。
御影高校生によるキノコ悪臭グランプリでは、 1位 サンコタケ、 2位 スッポンタケ、 3位 カゴタケ とのことです。
では、今回も兵庫きのこ研究会の中島さんにカゴタケの解説をしてもらいましょう。
●カゴタケ スッポンタケやサンコタケと同じ腹菌類で、独立した腕でなくカゴ状につながった腕を拡げていく変わったキノコです。カゴは最初、器用に折りたたまれて白くぷよぷよした卵の中にはいっているのですが、外の膜が破れると数分のうちにみるみる広がるので、その場に遭遇したときはとても驚きます。写真に撮るよりできることならムービーに撮りたいキノコです。このカゴタケの胞子を含む緑褐色のグレバはほかによく腹菌類にある悪臭でなく、むしろフルーツ様のいい匂いがします。比較的めずらしいキノコですので、大切に観察しましょう。 (中島さん)

上の写真にあるように、殻のなかに「カゴ」のもとが入っていて、むくむくと広がるそうです。 キノコ研究会の中島さんやキノコ図鑑によると、「フルーツの香り」がするそうですが、高校生には、悪臭だったようです。 高校生の修行が足らんのか、研究会の皆さんが無我の境地に達しているのか、僕には分かりませんが、虫を寄せて、胞子を散布してもらうために、「におい」が必要なことは確かでしょう。
ですが、僕が生態学的な観点から興味があるのは、「なんでカゴなんや!」ということです。 一体、このかたちにどんな利点があるでしょうか。
お昼の茶のみ話のネタで、15分ぐらい考えてみました。
タヌキやキツネの足に引っ掛かって、運ばれやすいという説が、となりにいた某研究員からでましたが、面白くないので却下。 で、結論ですが・・・、「通りゃんせ仮説」にたどりつきました。 (注意:とってもいい加減な説ですので信用しないように)
落葉に埋もれるようにカゴ状のキノコがあると、つい徘徊昆虫のオサムシなどがあいだを通りたくなってしまう・・・。オサムシやゴミムシがこのカゴ状の間を通ると...、つい食べたりもして、胞子が体表について散布してもらえる・・・。そんでもって、胞子が付着したオサムシが土の中にもぐり、地中に散布することができる。幼菌が地中性なので、土のなかに散布してもらうための苦肉の策ではないか、というものです。地上でハエも呼びつつ、徘徊性の昆虫にもOK。
こんな風に考えたのは、凍結乾燥標本をつくったからなんです。 数あるキノコのうち、カゴタケとスッポンタケだけは、表面と殻内のネバネバが、全然カラっと乾燥しないんです。 温熱乾燥、凍結、真空、なにをやってもベトベト。服につくとヤな感じ。 このベトベトさんが、わりとしっかり昆虫類の体表にへばりついて、胞子とともに地中まで散布されるに違いない、そう勝手に妄想しています。しかも、カゴタケはフルーツの香りがするって点も、ゴミムシなどの徘徊昆虫を寄せるのにイイかもしれません。
二人のこどもが手を組み合って腕で関所をつくる「通りゃんせ」遊びの様相は、まさにカゴタケ風だと思いませんか? 誰か研究して、結果が分かったら教えてください。この説が正しいと、絶滅危惧種でもあるカゴタケを保全するためには、地表徘徊性の昆虫をちゃんと保全しないといけないのかもしれません。 う〜ん、生物多様性って感じです。

さて、標本づくりですが、ベトベトさんの割には、上手に作れます。難易度は、★★でしょうか。 凍結乾燥標本のままだと、ちょっと匂いがするので、展示用には封入標本がお勧めです。 不飽和ポリエステルにもポリメタクリル酸メチル樹脂、ウレタン系樹脂に対しても白濁することなくうまく表面コートされます。それと、形がもともと不定形なんで、ちょっとぐらい縮んでも分かりませんので、仕上がりはいいです。 余談ですが、某大学病院の方の談ですが、「人の脳みそ」の封入標本も、不定形なのと、そもそもナマの実物をまじまじと見ている人は稀なので、人体展のプラスティネーションで、「この脳は縮み気味だ!」という、マニアックな突っ込みはないので楽と言ってました(どう楽なんだろう・・・)。魚の標本だと煮干しみたいになるので、見た目にばれるんですよね。その点で、キノコの封入標本は、手(気も)が抜けるのでとても楽です。
次回は、臭いキノコNO1のサンコタケを紹介したいと思います。
もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください! http://www.hyogo-kinoko.jp/
御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/ 「御影高校のSPP支援講座」 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm
■ぜひ博物館へお越しください! 「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
【注意】 キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。
(みつはし ひろむね) | | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド【その3】〜 | | 六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.3】〜 〜カイガラタケとチャカイガラタケ編〜
なんとか、これで3回目の連載です。 一応、「ほぼ日」を目指していますが、どんどんネタが尽きてきて休載に・・・。 そうならないように、がんばってゆきたいと思います。 今回は、山歩きする方ならば、わりと良く見かけるキノコ、「カイガラタケ」と「チャカイガラタケ」を紹介したいと思います。
 左の写真が「カイガラタケ」で、右の写真が「チャカイガラタケ」です。 恥ずかしながら、きのこ展で標本をつくる前まで、全部「サルノコシカケ」だと思っていました。 うちの子どもに山で「これ何っ!」て聞かれて、「サルノコシカケっていうて、薬になるからお父さんが病気になったら採ってこい」と答えたような気が・・・。 大ウソつきでした。 ですが、この2種類ともいわゆる「霊芝」とよばれるもので、ガンなどの腫瘍に対して薬効があるようです。カイガラタケよりも、チャカイガラのほうがグレードが高いらしいです。 学術的には間違いでしたが、本質は外していないので、とりあえずヨシとしております。 もちろん固くて食べれませんで、煎じてお茶にして飲みます。
では、いつものように、兵庫きのこ研究会の幸徳さんと奥田さんに伺ってみました。
●カイガラタケ
針葉樹、広葉樹の枯木上に重なり合って発生します。表から見ると貝殻のような美しい環紋(同心円状の模様)が並び、似た模様を持つウチワタケと見間違えそうになります。しかし裏に返すと長いヒダがあることが、見分ける大きな特徴の一つとなっています。食毒は定かではなく、触った感じも硬いことから食べてみようとした人はいないと思われます。一度発生すると長い期間その場に定着し、キノコの表面にコケ類が発生している姿もしばしば観察されます。キノコが少ないシーズンにも見られますのでキノコウオッチャーの隠し玉になります。(奥田さん)
●チャカイガラタケ 硬質菌と言われているグループのキノコは、それほど美しくもなく、かわいくもなく、食べることができないため、キノコ愛好家には人気がありません。ところが、木を分解することができる唯一の生物で、生態系の中で必要不可欠な存在です。人気がないことのひがみか?「重要な役割を担っているんだ」と主張しているかのように夏でも冬でもよく見かけ、存在をアピールしています。本種もそんなキノコの1つで、広葉樹、とくにサクラの枯れ木を分解するキノコです。傘の表面は茶色、紫色、黒色などの環紋をあらわし、その姿形が貝殻のように見えるため、この名前が付けられました。硬質菌の傘の裏の形状は色々ありますが、本種はヒダ状です。(幸徳さん)
お二人のご意見をまとめると、いつでも見られる地味なキノコ、といったところでしょうか。それでもって、樹木を分解するので、生態系の中で重要な役割をしている訳ですね。 さらに、がんにも効くなんて、いい仕事しています。いぶし銀って奴でしょうか。
そんなことを知ってか知らずか(多分、知らんと思う)、御影高校の生徒たちは、「カイガラタケ様」と呼んでいます。 そのココロは? 採集会で、キノコが全然とれないときに、唯一とれるのがこのキノコなんです。いつもは普通に生えているので、あんまり見向きもされないのですが、キノコが不作のときに重宝されて、「カイガラタケ様」になる訳です。キノコウオッチャーの隠し玉といわれるように、「カイガラタケ様」は、観察会のネタ的にも良いものです。
さて、この2種類ですが、標本の作製はいたって簡単です。製作の難易度は、★です(5点満点で1点)。もともと固いので、天日干ししても良いぐらいです。それに、真冬に採りにゆけば、「天然凍結乾燥」状態になっています。しかし、樹脂含浸の処理を施して、展示中にカビが生えないようにしていますので、お茶にはできません。 チャカイガラタケは、封入標本にしてしまいました。 小さい標本しかなかったので、そのまま展示すると何かみすぼらしかったからです。 封入標本にして展示する意義は、手にとって見れる、という利点もありますが、「しょぼくて、どうしようもない標本」を、それっぽく装飾する役割もあります(琥珀色にするともっと良さげにみえる)。 みなさん、博物館展示にだまされないように。

次回は、カゴタケを紹介したいと思います。
もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください! http://www.hyogo-kinoko.jp/
御影高校の活動をご覧になりたい方は、以下のページから、SPP支援講座のページをご覧ください。 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/ 「御影高校のSPP支援講座」 http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/spp/index.htm
「六甲山のキノコ展〜リアルな森の妖精たち〜」は、2009年5月31日まで開催 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
【注意】 キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。
(みつはし ひろむね) | | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド【その2】〜 | | 六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.2】〜 〜イボテングタケ編〜
女子A 「このキノコ、クランチが乗っていて美味しそう〜」 女子B 「ほんまや チョコレートクランチや」 講師A 「これ毒キノコですよ」 女子B 「ひえ〜!」 講師A 「食べても死ぬことはたぶんないけど」 女子B 「違うんです。虫がいっぱい出てきた!!」 女子A 「私は食用キノコでも虫がいたら絶対食べへンわ」 教師A 「そうゆうのはムシ」 女子A 女子B「・・・・・・・・・・」
御影高校の皆さんは、こんな感じで六甲山の山中にて、キノコ採集に勤しんでおられました。真面目にやってるのかどうか、ちょっと微妙なところはありますが、生物の見た感じの感想を周りの人に伝えることは、名前を覚える上ではとても重要な方法です。 ちょうど、ワインがテーマの某ドラマで、「まるでアーモンドのように香ばしく、カシスと柑橘の甘いニュアンスが鼻腔をくすぐり・・・」ってな感じで(真面目に)ワイン評論しているのと同じですね。 そういえば、うちの某研究員のため池調査の野帳に、「ヒモ付きウジ型宇宙人A」という種名が書いてありましたが、「もしかしてハナアブ?」って聞いたらビンゴでした。 こういう感性は大事にしたいものです。 ぜひ、謎の生物をみたら、講評してみてください。 ワインを評論するソムリエに、生き物観察の案内役となる学芸員も習うべきことが多い気がします。
さて、2回目に詳細するのは、上の写真にあるイボテングタケです。名前からして毒っぽい気が・・・。 では、兵庫きのこ研究会の山上さんに解説してもらいましょう。
● イボテングタケ Amanita ibotengutake 従来テングタケと言う和名で呼ばれていた種で、形態の違いから広葉樹タイプと針葉樹タイプなどと呼ばれていたものを、最近(2002年)の研究でテングタケ Amanita pantherina から独立してイボテングタケ A.ibotengutake(アマニタ.イボテングタケ)として独立させて新種となりました。関西の里山ではイボテングタケの方が圧倒的に多く観察されます。夏になるとビックリするほど大量発生する事も有ります。この種は、有名な毒キノコのベニテングタケより毒性は強いと言われており、中毒症状は下痢嘔吐、異常発汗、縮瞳、錯乱、興奮、痙攣などで時には昏睡、呼吸困難その他で、まるでキノコ中毒のデパートです。怖いですね!!恐ろしいですね!!
そうです、キノコと言えば毒。 ときどき、毒キノコなんて珍しいという人もいるみたいですが、一面毒キノコということもありそうです。チョコレートクラチみたいといって、勝手な想像で食べないでください。 それと、キノコの分類学的な研究はまだまだ発展途上で、種名がついていない種もたくさんあります。毒キノコであたり一面に生えるような種なのに、2002年になって、やっと正式に名前がついたそうです。
さて、このキノコの標本の写真はこちらです。 じつは、ちょっと製作に失敗しています。一番右のものは、柄の部分と表面にPEG(ポリエチレングリコール)とシリコン樹脂を塗り過ぎて、シナっとなってしまい、傘が直立しておりません。左はしの標本も同様です。キノコの種類にもよりますが、柄の部分が内部的にスカスカだったり、繊維構造が粗な場合には、標本作製が難しくなります。展示をごらん頂ければ、他にも柄の部分が折れやすい種があるのが、容易にわかるかと思います。この標本は、作成の難易度★★★★(5点満点中)です。 次回は、カイガラタケを紹介したいと思います。
もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください! http://www.hyogo-kinoko.jp/
【注意】 キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。
(みつはし ひろむね)
| | | | | |  | | ●六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド【その1】〜 | | 六甲山のキノコ展 〜ミニ展示ガイド 【vol.1】〜 〜カラカサタケ編〜
ただいま、ミニ企画展と称しまして、博物館の4Fひとはくサロンでは、御影高校・兵庫きのこ研究会との共催によります「六甲山のきのこ展」を開催しておりまして、約80種類のキノコを展示しております。いろんな新聞にとりあげて頂きまして、おかげさまで好評を博しております。
ですが、展示スペースが小さいので、キノコをぎゅうぎゅうに詰めて展示しております。その関係で、ひとつひとつのキノコについてしっかりと解説ができておりません(スペースがあっても実は僕には無理なんですが・・・)。そんなわけで、今回のキノコ展の立役者でもあります「兵庫きのこ研究会」の皆さんに協力いただいて、展示中のキノコを解説してゆきたいと思います。 展示期間中の5/31までに全部解説が終わるかどうか・・・、ちょっと不安ですが、キノコの生態写真と標本写真、面白い特徴や生態を紹介したいと思います。キノコと言えば、「毒」、「美味」。そんな話題も交えて紹介したいと思います。
キノコに関心をもった方は、ぜひ、博物館のミニ企画展に足を運んでいただければと思います。5月31日まで開催しております(キノコ展で長い期間展示できるのは、特殊加工のおかげ!そしてひとはくだけです!)。 http://hitohaku.jp/exhibits/temporary_old/2008/mini08.html#minikinoko
第1回目に紹介するのは、「カラカサタケ」です。展示コーナーの中央に置いています。 なんで中央にあるのか、っていうことですが・・・。
実は、大きくて目立つキノコなので御影高校の元気な野郎どもが、「オオモノ発見〜!」っと、本能の赴くままにいっぱい採りまくったからです。たくさん標本ができちゃったから、真ん中に置いてるだけで、深い意味はありません。言いかえれば、「目につきやすく、親しみやすいキノコ」なのかも知れません。 標本の仕上がりもまずまずです。ちょっと樹脂を塗りすぎたものもありますが・・・。この種は、凍結乾燥で標本にするとき、表面にあらかじめ糖アルコール(ポリエチレングリコールの分子量400+エタノール希釈)を薄く塗っておくと、カラカサの模様がポロポロはがれずに残ります。もともと固くて柔軟性があるので、標本にしやすい種類です。キノコ標本作製の難易度でいえば、★★★(満点は★5つ)でしょうか。
では、カラカサタケについて、兵庫キノコ研究会の山上公人さんに聞いてみました。
カラカサタケ (vol. 1)
夏から秋に日当たりの良い雑木林などに発生するキノコ。大型のうえ、すら〜っと背の高い姿は山の中でも良く目立ちます。柄は固いが傘は綿のように柔らかく、ギュッと握っても壊れることなく元に戻ります。この事からニギリタケと呼ぶ地方も有るそうです。ツバにも特徴が有り、リング状で上下にスイスイ動かすことが出来きます(下の写真をご覧ください)。まるで、子供のおもちゃに使えそうです。 全体に地味な雰囲気だが、特徴的な色合いに「わび・さび」を感じるのは私だけでしょうか? 食用とされているので何度か食してみたが、ほろ苦うえに食感も悪く、油も良く吸います。個人的には美味しいとは思わないが読者の皆さんは如何でしょうか?ただし、良く似たキノコに有毒の物も有るので要注意。なお、生食は中毒します。
柄の部分にあるリング状のものが特徴です
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皆さんの身近にも生えているキノコということで、観察のチャンスはありそうですね。発見したら、ぜひ握ってみて頂ければと思います。握ってもじわじわ形が戻るっていうのは、流行りの低反発樹脂みたいですね、枕とかに使われているやつです。このキノコを研究すると低反発樹脂の新製品開発に役立つかも知れませんね。 握った手は、ちゃんと洗ってくださいね。もちろん、生食は厳禁です。 次は、イボテングタケを紹介したいと思います。
もっと兵庫のキノコを知りたいひとは、「兵庫キノコ研究会」の美しいホームページをご覧ください! http://www.hyogo-kinoko.jp/ 【注意】 キノコの鑑定には十分な注意が必要です。初心者が、ホームページや図鑑を見て、食用できるかどうかを判断することは、大変危険です。食用と判断できない時は確実に鑑定できる専門家に尋ねてください。素人判断で食用することで、毎年のように死亡事故が発生していますので、不用意に食べることはお控ください。
(みつはし ひろむね) | | | | | |  | | ●「六甲山のキノコ展 〜リアルな森の妖精たち〜」がはじまりました。 | |
博物館では、2月10日から5月31日の約4カ月間にわたって、「六甲山のキノコ展 〜 リアルな森の妖精たち〜」を開催しております。この展示は、兵庫県立御影高等学校、 兵庫きのこ研究会、当館との共同開催です。六甲山の修法ヶ原でとれたキノコ約80種 類、110点を展示しています。博物館が所蔵する「キノコ」の標本は、普通は干しシイタ ケのように縮こまった形となり、生きていた状態とは似ても似つかないものになりますが、 今回は凍結乾燥や樹脂含浸、封入標本などによる特殊な技法を駆使して、できるだけ 生きている状態に近い形でリアルな標本に仕上げています。 展示を見られた方で、眼の肥えている人ほど、「どこの業者に作ってもらったの」なんて 質問される方がいますが、すべて、高校生と博物館スタッフによる手作りです。キノコ 好きの方だけでなく、博物館の展示用標本の作製技術に関心がある人にも必見です。
 (写真1:ニセマツカサシメジ)
 (写真2:サンコタケ)
この展示には、もうひとつの大きな特徴があります。それは、高校と博物館、市民団体 のコラボレーションです。標本の採集や製作、展示は、兵庫県立御影高等学校の第2 学年の総合学習を通じて実施したものです。
 (写真3:採集の様子)
採集には、初夏、夏と秋の3シーズンにおいて、六甲山系再度公園(修法ヶ原)のキノ コを調査・観察し、これらの活動やキノコの鑑定には「兵庫きのこ研究会」の方々の協 力を得て実現しています。高校、博物館、地元の専門家の3者が揃わなければ実現 できない企画でもあります。
展示を見て頂ければ、六甲山には、実にたくさんのキノコが生育していることがひとめ で分かるかと思います。キノコを一同に並べて眺める機会はそうそうないのではありま せんか。この展示会では、自然界では起こりえない風景、キノコの標本を一堂になら べることで、生物多様性が織りなす不可思議な光景をお見せしたいと思います。
 (写真4:企画展全景)
<開催の概要など> 展示コーナーは小さいですが、中身がぎゅっと詰まってます!
期間: 2009年2月10日(火) 〜 5月31日(日) 場所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン 観覧料: 無料(博物館観覧料が必要です) 主催・共催: 兵庫県立御影高等学校 ・兵庫キノコ研究会・ 兵庫県立人と自然の博物館 URL: http://hitohaku.jp/exhibits/temporary_old/2008/mini08.html#minikinoko 展示品についての詳しい解説は、これからひとはくブログで紹介してゆきます!
三橋弘宗(自然・環境マネジメント研究部) | | | | | |  |
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