6月16日と17日,大阪で,連続して3箇所でヒアリの侵入が発見されました.2000匹を超える大きなコロニーがコンテナに潜んでいたこともあり,荷下し作業をされていた方と,環境省の職員の方が,ヒアリに刺されるということまで起きました.
これを受けて,環境省から職員がヒアリに刺されないための装備や,刺された時の対処法について,アドバイスを求められました.装備について色々とアドバスをしていたら,それは,私が熱帯雨林へアリの調査に行く時のいつも格好だと気がつきました.熱帯には刺されると,飛び上がるくらい痛いアリがたくさんいます.しかし,調査には,採集や実験道具も持っていくので,装備は軽装で,かつ身を守れるものになります.例えば,スズメバチなどと比べると,アリはサイズが小さいので,使い捨ての薄いゴム手袋があれば,毒針が貫通することはありません.足元は,どうしても注意がおろそかになり,手に比べて皮膚が薄いので,ゴム長靴か,足袋のようなもので,しっかりと守っておくのが無難です.さらに,虫除けスプレーを長靴にかけておくと,アリが寄り付きにくくなるので,より安心です.採集には,私はハンディ掃除機を吸虫管の代わりに使っています.これは,口で吸う吸虫管で採集に時間をかけていると刺される確率が上がるのと,土などを吸い込んでしまうを避ける意味もあります.

私が長年の熱帯でのアリ調査から編み出したスタイルやノウハウが,ヒアリ対策の最前線に立つ方々の安全を確保することに役立つとは,想像もしていませんでした.しかし,経済のグローバル化がますます進み,思いもよらない生き物たちが,続々と侵入してくる,今,海外で昆虫や植物など,自然を相手に基礎的な調査をしてきたノウハウが,実は,一番役に立つ時代になったと言えそうです(系統・昆虫 橋本佳明)
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